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「学び」のトリセツ

5章「学び」のトリセツ

- 知りたいこと、楽しいこと、好きなことを自由に学ぶために 「習う学びと考える学び」 -

 「学び」は私にとって、人生の楽しみ、ライフワークであるとともに、自分を助けてくれるツールでもあります。

 「学び」の目的や種類、学び方などについて、私の経験から少しお話したいと思います。

1.「学び」とは

「学び」とは

あなたにとって「学び」とはなんですか?

「勉強」という言葉を聞くと、なにか学校で強制的に、そして受動的に行われる儀式のようなイメージをもつ人もいるかも知れません。

でも「学び」とは・・・、

学びって・・・

学びは、「知的好奇心を満足させ、知恵や技術を修得し、人生を楽しく豊かに過ごすためにするもの」です。

そして、学びには2つの種類があります。習う学び「学習」と考える学び「研究」を区別することが大切であり、人から習う学びと自分で考える学び、つまり学習と研究を意識的に区別して学ぶとよいと思います。

私はこのように考えています。

学問の世界は自由です。人から強制されるものではなく、いつどこから始めてもよく、いつ終わっても、どこでやめてもよいのです。そして何を学んでもよいのです。そして学びのコツは突き詰めれば次の3つに集約されます。

①知りたいこと、楽しいこと、好きなことを自由に学ぶ

 自分が興味・関心を持ち「知りたいなぁ」と思ったこと、時間を忘れて「楽しいなぁ」と思うこと、ずっとやっていても飽きない「好きだなぁ」と思うことを自由に学ぶことが大切だと思います。

②「答え」ではなく「解き方」を学ぶこと。

いつでも、どんな場合でも解を導き出すことができる、たとえ直接的に解につながらないとしても、何らかの形で先につながる、そして何かに応用できるようになります。

③アウトプットするために学ぶこと。

自分で学んだだけでなく、人のためになること、人に伝えることなど、常にアウトプットを意識して勉強しないと、ただ「やっただけ」になってしまいます。学んだことを自分の中で再構築して、何かの形でアウトプットしましょう。

2.学びの3原則

①学びたくなった時に学びたいことを学ぶ。(いつ何を学ぶか)

学ぶことは人生の宝さがし、知的好奇心には賞味期限がある。好きな時に学ぶ。

②大人の学びは「100点満点」でなくていい。(どこまで学ぶか)見る聞く調べる教わる考えるやってみる

  自分のための学びは、学校の勉強と違い「100点満点なんていらない」。ゴールや目的は自由に決めてよく、いつでも、どのように勉強してもよい。

③学びは「まねび」、真似することから始める。(どう学ぶか)

  「学び」とは「まねび」からきている。まずは「真似てみる」ところからはじめる。

基本はこれだけです。難しく考える必要はありません。

習う学びの究極奥義は、「習って、わかって、やって、できて、みんなに伝えて一人前」ということです。

自分で考える学びは、「答えが一つでないかも知れないこと」、「答えがないかも知れないこと」、「まだ誰も考えたことがないこと」などについて、自分が納得するまで突き詰めて研究・探求していくことです。

どちらも「知的好奇心を満足させ、知恵や技術を修得し、人生を楽しく豊かに過ごすためにするもの」です。

3.魔法の言葉 「勉強術」

 

「習う学び」にはコツがありますので、「習う学び」に関する魔法の言葉を集めました。かつて私が自分のために「勉強術」として書き溜めていたものです。自分を励ましたり、戒めたりするために書いたものですので、少し過激な表現があるかもしれません、ご容赦ください。そして、秘伝言書や小冊子でも紹介していますが、もし参考になるものがあればぜひ試してみてください。

(1)心がまえ・姿勢

①勉強は「背水の陣」で臨む。     

勉強は「後がない」つまり「背水の陣」で臨まないと、いつまでも身につかない。時間も労力もかけ過ぎないように気をつける。

②勉強は「一期一会」で臨む。     

そのことについては「今しか学べない」と思って真剣に学ぶこと。次があると思うと吸収できない。

③勉強すること自体が目的ではない。         

勉強すること自体に意味はない。それが趣味であれば別だが・・・。何かをアウトプットする、ゴールのために勉強するのであるから、目的を見失わないようにする。

④100点を取らなくていい。合格点が取れればいい。

100点満点にこしたことはないが、物事を100%吸収するのは大変である。それよりも合格点をとって次のことを学んだ方が豊かになる。

⑤明日テストに出ても必ず解けるように勉強する。  

明日テストに出ても、その部分は必ず解けるように勉強する。もう一度やればいいと思っていると吸収されない。

⑥「答え」ではなく「解き方」を学ぶ。     

「答え」が合うことではなく、それを導き出すための「解き方」を学び、「いつでも」「何度でも」答えに辿り着くようにしておく。

⑦いつもそのことを考えているようにする。            

勉強時間以外もある一定期間はそのことをいつも考えているようにする。そうすると、夢にどんどん近づいていく。

⑧「汗の量」は評価されない。「結果」を出した人だけがプロセスも評価される。             

途中でかいた「汗の量」は結果をだして初めて評価される。結果を出さない者はプロセスも評価されることはない。

⑨身銭を切って勉強する。            

勉強は自分のお金でしよう。どれだけ大切なお金、時間かがわかっていないと、きちんと身につかない。

⑩テキストから回収できなかった知識はあきらめる。            

テキストから吸収できなかった知識はきっぱりとあきらめてしまおう。自分には縁がなかったのである。

⑪まずフレームをおさえる。         

勉強を始めるときは、まずフレームや全体像をおさえる。そのことにより、自分の勉強している位置がわかるので、地図と同じである。

(2)方法

①参考書は3冊に決める。            

参考書は3冊見比べて、同じことが書いてあれば、その分野で必要なことである。それ以外は捨てて、共通項の重要な部分を優先的に吸収しよう。あとはいくつやっても同じことである。

②同じテーマの勉強をまとめてする。         

同じテーマの勉強をまとめてやると「共通項」が見えてくる。そこを優先的に吸収すると要点がおさえられる。そして頭の中もすっきりと整理される。

③予習8割、復習2割。  

予習中心に勉強するとゆとりができるので、先行逃切りで積極的に攻める。わからないところは、本番で確認する。

④まず目次をおさえる。  

まず目次を俯瞰して、どのようなことを勉強するか、どのような構造になっているか、どのくらいの配分かを確認してから勉強を始める。

⑤テキストは終わったら手放す。  

テキストはいつまでも持っていると「いつでも勉強できる」と思ってしまうので、勉強し終わったらすぐに手放す。吸収できなかったことは「また今度」と考える。

⑥興味のあるところから始める。  

人間のモチベーションは冷めやすい。興味のあるところからはじめて、とにかく先に進む。

⑦「型」を覚える。         

物事には「型」がある。まず先人の知恵である「型」を覚えて、少しずつ自分のスタイルに変えていけばよい。最初から「我流」でいくのは遠回り過ぎる。

⑧道具を使いこなす。     

質のよい道具を手に入れ、十分に使いこなすことにより、勉強の効率があがる。

⑨ゴールから逆算してルートやペースを決める。     

ゴールから逆算して進むルートやペース配分を決める。決して闇雲に進んでいったりしない。最適なルート、配分が見つかるはずである。

⑩道しるべごとに自分に「こほうび」をあげる。     

ゴールまでの途中に「ごほうびポイント」をつくっておく。その道しるべに辿り着いたら、自分に「小さなごほうび」をあげる。それだけでがんばれるものである。

⑪ゆるいスケジュールを立てる。  

スケジュールはあまり綿密に立てないようにする。むしろゆるい方が挫折しないですむ。

⑫いいコーチに短期間だけ教えてもらう。  

最初の部分はいいコーチに見てもらい、方向性や勘所を教えてもらうと良い。闇雲にはじめても徒労に終わるだけである。

⑬人の時間を買う。         

勉強するときは、人の時間を積極的に買おう。参考書、本、セミナー、教材、道具、講師など買えるものはどんどん買って効率よく自分のものにしよう。

⑭まとめて数十時間集中的にそのことを学ぶ。         

そのことついて、モチベーションが高いうちに、まとめて数十時間勉強してしまう。どっぷりつかるとなんとなく見えてくるものがある。

(3)つき合い方

①勉強を習慣にしてしまう。         

勉強すること自体を「習慣」にしてしまう。3週間ぐらい続けると自然と慣れてくるので、そこまでがんばってみる。

②初めはわからなくても、そのうち紙にインクをたらすように見えてくる。     

初めはわからなくても、進めていくうちにだんだん断片がつながっていくので、どんどん先に進む。

③勉強は「3日坊主」「7日坊主」「20日坊主」         

勉強は慣れたり習慣になるまで時間がかかるので、「3日坊主」「7日坊主」「20日坊主」と考え、少しずつ習慣づけて、まず3日、次に7日、そして20日、20日間続けば習慣となったと言えます。

『人生を豊かに生きるための7つのトリセツ』セルバ出版 岩下敦哉著 より引用 

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