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時間管理の7つ道具

時間管理の7つ道具

「7つ道具」といっても、何か特殊なものや目新しいものを使うわけではありません。あなたの身近にあるごく普通のツールたちです。

大切なのはたった3つ、「シンプル(簡単に・手軽に)」「スマート(いつでも・どこでも)」「スピーディ(すぐに・素早く)」ということです。

まず「シンプル」であることが大切です。

「シンプル」とは、その機能が過不足なく必要十分であり、余計なものがなく、簡単、手軽で使いやすいということです。

使うこと自体にテマヒマがかからず、わかりやすいということも大切です。そうでなければ使いこなせません。

次に「スマート」とは、「いつでも」「どこでも」使えて、使うことにテマヒマかけずに身体の一部になっているような状態のことです。

「早撃ちガンマン」や「居合抜きの武士」「忍者の手裏剣」などのようにスマートに道具にアクセスできることが重要です。

そして「スピーディ」ということも大切です。

道具を使うための「アクセスタイム」や「ウェイティングタイム」、電源を入れたり、システムを立ち上げたり、そのもの自体を取りに行ったりする時間がないというのがベストです。使いたいときにすぐ使え、成果をあげるのがツールの役目です。

世の中には、同じ機能を持つものがたくさんあります。結論としては「どれを使っても良い」のです。自分の目的・ゴールを達成するために役に立ち、身の丈にあった使いやすい道具であれば、それで良いのです。自分にあったものに出会えたら、あれこれ他のものに手を出さず、じっくりつき合いましょう。

おススメの7つ道具

となりの芝生は青く見えます。人がやっている方法、使っているツールが「かっこ良く」見えると思いますが、「自分の目的・ゴール」を思い出し、ひたすら進みましょう。それでは一例として、私が実践している「おススメ7つ道具」をご紹介しましょう。

手帳

ワーク・ライフ・パーソナルバランスをとるための、人生の司令塔として使っています。自分の予定は紙の手帳を使っています。

いろいろな形式、フォーマットのものがありますが、レフト型一週間のアナログ手帳を使っています。なぜなら、人間の感覚は一週間単位がわかりやすいからです。また、面積で時間を把握することができるということもこのフォーマットを使っている大きな要因です。おもに、スケジュール、タスクリスト、メモ、リマインダーの役割を持たせています。

手帳はご存知のとおりいろいろな種類があります。フォーマットは、マンスリー、バーティカル、2週間見開き、レフト型、デイリーなど、大きさは、ポケットサイズ、手帳サイズ、バイブルサイズ、デスクサイズ、ノートサイズなど、スタイルは綴じ手帳、システム手帳、カレンダー型など、日曜始まりと月曜始まり、1月始まりと4月始まりなど自分の感覚と使い方、用途に合わせて選べば良いのです。正解はありません。

こだわりとしては、時間の目盛が自分の生活時間に合っていること、書き込みスペースが十分であること、参考資料等が必要十分で適切であること、手ざわり、色、素材が心地良いことなどがあります。しおりも二本あるといいですね。

手帳に書き込むことはいろいろありますが、何に使うかは自分で決めましょう。行事のみ、スケジュールのみ、アポイントのみ、プライベートのみなど。

色分けをするとわかりやすいのですが、色が多すぎるとわかりにくくなり、それ自体にテマがかかります。

手帳で一日、一週間のリズムをつくっていく感覚を身につけましょう。そこに自分の人生を乗せていくのです。

手帳については、「手帳術」の本が出るほど人それぞれたくさんのノウハウがあります。でも、ほとんどの人が使いこなせていません。それは、「目的」「選び方」「使い方」が自分に合っていないからです。だから毎年、年末年始や年度替わりの時期に手帳術の本が本屋さんの棚にたくさん並ぶのです。

 結局人のマネではダメなのです。自分の目的に合わせて選び、自分の使いやすいように使うということが大切なのです。

アナログ時計

時計はおもに時刻を知るために使いますが、アナログ時計を使うと、単に時刻を知るだけではなく、時間を面積としてとらえることができるので、直感的に時間を感じることができます。

「正確な時刻を知る」という意味ではアナログもデジタルも同じ機能です。時間活用という点から考えると、時計は「時刻を正確に知る」という「点」の機能だけではなく、「持ち時間」や「残り時間」、「経過時間」「バランス」などといった「線」や「面」の性質を使ったとらえ方に使いたいものです。

そういうツールとして時計をとらえた場合、アナログ時計は実に大きな役割を果たします。アナログ時計は文字盤、針によって、経過時間や残り時間を視覚的にとらえることができます。同時に、時間を「面」や「面積」としてとらえることも可能なので、1時間、つまり60分を1/2、1/3、1/4、1/6などと直感的に認識することができます。

また、15分1ユニットで作業するときも、「あと何ユニット」と簡単にとらえることができ、効率よく作業が進められます。

タスクリスト

やることをモレなくダブリなく書き出し、頭の中をスッキリさせるために使います。やることが書き出されていれば記憶しておく必要がなく、今やることに集中することができるのです。

コツは次の3つです。

1つめは、外部から次々にやることが入ってきたら、その都度対応するのではなく、タスクリストに淡々と書きたせばよいのです。そして作業を中断しないようにしましょう。

次に、終わったもの、不要なものはどんどん消していく(見せ消しする)ことです。

リストを消していくことがとてもうれしい、楽しい、快感です。

デジタル管理も良いのですが、アナログでひとつひとつ消していくのもとても爽快感があります。

3つ目に、なるべくタスクを分解して細かくリストアップし、たくさんの項目を消していくのが効果的です。

効能は、「何をすればゴールにたどり着くかという問題意識が生まれる。」「やることのダンドリ、手順が自然とわかってくる。」「見えない課題や問題点がピックアップされる。」「協力者、関係者、ステークホルダーが見えてくる。」「持っているリソース(時間・労力)とタスク量との比較ができ、スピード感、テンポ感につながる。」「ゴールまでの道すじが自然と見えてくる。」『「やり残し」や「二度手間」を減らすことができる。』ということです。

突発的なもの、一日だけのものは紙、毎日、毎週、毎月、毎年くり返されるものはデジタルが便利です。

メモ

気になることを書き出し、頭の中をスッキリさせるために使います。

今はデジタルデバイスも便利になっているので何を使ってもよいのですが、先にあげた「シンプル」「スマート」「スピーディ」という点から、便利なのはやはり「紙」だと思います。

メモは「何かを記録するため」「忘れないようにするため」「頭の中を整理するため」「人に何かを伝えるため」に使うのが一般的です。

でも、メモの使い方はそれだけではありません。メモは「忘れるために書く」のです。さて、それはどういうことでしょうか?

 メモは、頭の中にあること、気になることを一旦外に出して、頭の中、心の中を空っぽにするために使うという使い方があります。頭の中、心の中が空っぽになると、雑念や雑音がなくなり、今目の前にあることに集中して取り組めるようになり、時間を有効に使えます。

メモに使う用紙は、多種多様ですが、いつも持ち歩くことができ、貼ってはがせて色も目立つ、適度な文字量も記入できる、外出先でも補充しやすいという観点から、黄色い正方形のポストイットがお勧めです。

ポストイットは時間を節約するのに大変便利なツールです。単純なメモとして使うだけではありません。手帳にそのまま貼れるので、タスクリスト、データ、地図、拡張メモ、連絡先リストなどに使えます。また、机や壁にそのまま貼れるので、掲示、訪問メモ、メッセージ、マーキング、連絡票などにも使えます。そして、そのまま人に渡せるので、メモや伝達事項もいちいち書き直す必要もなく、時間がムダになりませんし、貼ってはがして並べ換えが自由なので、ブレインストーミングや頭の整理、意見交換などにも最適です。

「書き直しのテマヒマがかからない」「多用途に使える」「貼れる」という時間活用においてはなくなはならないアイテム、ツールのひとつです。

アラーム

ピンポイントの予定時刻を気にしなくても良いようにして、頭の中をスッキリさせるために使います。たとえば、約束の時刻、起きる時刻、出かける時刻などをコントロールするツールとして使います。

時計、スマホ、携帯電話、パソコン、デジタルデバイスなどさまざまなアラームがありますが、ライフツールの中で考えるのであれば、スマホや携帯電話が便利でしょう。用途に応じて使い分けるのも良いと思います。たとえば、一回だけなら時計、毎日繰り返すならスマホや携帯、デスクならパソコン、家の中ならデジタルデバイスなど。毎日同じ時刻の繰り返しができるので、朝起きるときにオーディオタイマーで「鳥のさえずり」を流したり、電気スタンドにつないで明るくするなどの起き方もできます。いずれにしても、ちょこちょこ時計を見て、時刻を気にしなくてよくなるというメリットがあります。

タイマー

残り時間を気にしなくても良いようにして頭の中をスッキリさせるために使います。

「あと○○分で××をする」など、「締め切り」や「デッドライン」を決めて、時刻と時刻を線でつなぎ、時間をコントロールするツールです。

タスクの所要時間を算出して、複数のタスクのしめ切りを決め、「このぐらいの時間で仕上げる」といった時間管理に向いています。また、時計で目的の時刻と現在の時刻の差をいちいち考えなくても良くなります。

時計、専用タイマー、スマホ、携帯電話、パソコン、デジタルデバイス、砂時計などがあります。使う場所や状況にもよりますが、家の中ではキッチンタイマー、お茶を飲むときには砂時計など、レトロなアイテムもなかなか味わい深く、便利に使えます。

リマインダー

先のこと、予定されているひとまとまりの作業のことを気にしなくても良いようにして、頭の中をスッキリさせるために使います。

そのことが起こる少し前、始める少し前に、あるひとまとまりの作業、タスク、イベント、行動セットを思い出させ、準備やダンドリを始めるきっかけ、タイミングを知らせるものです。単にやることや行事を思い出させるのではなく、始めるタイミングを知らせるという使い方をします。

 グーグルカレンダーなどのリマインダーサービスを使うととても便利です。携帯電話へメールで知らせる設定ができますので、準備やダンドリを忘れることがありません。定期的なタスク、行事、ゴミの日など繰り返しおこなうことはデジタル処理をした方が便利です。

 リマインダーは「行動のきっかけ」「トリガー」としてはたらくので、そのタイミングがきたときにすぐに始められるよう、事前に準備やダンドリ、手順の取り決めをし、協力者との打ち合わせをあらかた終わらせ、必要な根回しをしておくことが肝要です。

ツールを人生に活かす

さて、7つ道具をご紹介してきましたが、あなたの使い方とくらべていかがですか?

ツールの使い方しだいで時間の使い方が変わってきます。

ツールを使うときの3つの心がまえを確認しておきます。

第一に「シンプル」「スマート」「スピーディ」であること。

簡単に、いつでもどこでも、すぐに動けること、対応できることが大切です。そのためにこれらのツールを身につけて活用しましょう。すぐに使えないと意味がありません。「身につけること」「いつでも使えること」が大切です。ツールへのアクセスにテマヒマがかからないもの、電源が不要なもの、小さいもの、簡単なもの、わかりやすいものが適しています。自分の身体の一部となるように使いこなします。

次に、頭の中を空にして、今目の前にあることに集中するために使うということ。

時間やコトを逃がさないため、そして不安や心配を取り除いて、心の中をスッキリさせるために使いましょう。

最後に『「時間をうまく使うこと」が目的ではない。時間を使って何をするか、人生をいかにエンジョイするかに時間を使う。』ということ。

「時間をうまく使うこと」のため自体に時間をかけてはいけません。いかに人生を楽しむかというところに基準をおいてください。

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